空室対策-インターネット無料について-

 

今回は、インターネット無料の設備についてご紹介させていただきます。

 

①インターネット無料について

テレワークの広がりによって、インターネット環境は賃貸住宅に欠かせない設備となりました。

インターネット無料設備はLANケーブルを挿せば使える状態になっており、入居者がインターネット設備を用意する必要がありません。入居者側ではインターネット料金が必要なくなり、OW様にとっては近隣物件との差別化にもなる人気の設備となっています。

 

②全国賃貸住宅新聞設備ランキング

これは、毎年全国賃貸住宅新聞が発表している入居者に人気のある設備ランキングです。

 

「この設備があれば周辺より家賃が高くても決まる」ランキングですが、

インターネット無料は6年連続一位となっています。

ただ、同時に懸念点もあります。

 

 

こちらは同じく全国賃貸住宅新聞のランキングですが、「この設備がなければ決まらない」設備ランキングとなっています。

新築を企画する段階でOW様が設備を考えるとき、やはり「人気の設備を入れよう」と考えますので、新築に標準的にインターネット無料がついていることも近年は多くあります。

そのため、インターネット無料設備自体が標準化されてきている、と言えます。

 

設備の導入を考えるうえで一番のポイントは「周辺物件との差別化」かと思います。

自身の物件が、周辺に比べてインターネット無料設備が差別化につながるかどうかの確認方法をご紹介します。

下記は賃貸物件のポータル検索サイトの一部になります。

一例にはなりますが、検索条件をある程度絞った際に「インターネット無料」をチェックした場合、全体の75パーセントの競合物件がこれによってなくなった、と考えられます。

 

 

③アフターコロナの需要の変化

コロナ後、インターネット無料で重視されているのが「回線スピード」です。

通常インターネット無料は1棟で1Gbps使用できますよ、という設定がほとんどです。

つまり3戸の物件でも9戸の物件でも1Gbpsしか使用できない、ということです。

コロナ後、自宅にいる時間が増え、インターネットの速度を重視する入居者様が増えてきました。

上でご紹介した全国賃貸住宅新聞の設備ランキングでも、「高速インターネット」が上位にランクインしています。

 

高速インターネットは1棟ではなく1戸あたりに1回線を入れる作りになっています。

他のお部屋の使用状況に左右されないため、入居者様としては快適にインターネットをお使いいただけますが、ここで問題になるのが「導入コスト」です。

高速インターネットを導入しようと思うと、通常のインターネット無料のおおよそ3倍程度のコストがかかると言われています。

 

今後高速インターネットが普及して導入コストが下がる可能性もありますが、現状はまだコストの高い状態が続いています。

この高速インターネットを導入するか否かの判断としては、コストと賃料への跳ね返りのバランスを見て検討すること、周辺の物件の設備を見ながら差別化を図り、あえて導入する、という考え方もあるかと思います。

ご自身の物件の状況を見ながら、計画的に導入をしていきましょう。

 

伊藤 伸

株式会社アートアベニュー リーシングマネジメント課