相続について知ろう【第一回】
今回は「相続」の概要について説明いたします。
相続とは何か?
個人が死亡した場合、その人が所有していた財産を親族が引き継ぐこと。
被相続人とは?
財産を残して亡くなった人。
自らの財産を引き継がれる人のこと。
相続人とは?
被相続人の財産を引き継ぐ権利のある一定範囲の親族のことです。
配偶者、子供、両親、兄弟姉妹、一定条件下における養子、孫、祖父母、甥・姪が相続人となります。
たとえばいとこ、内縁の妻、血縁関係にはない親友などは「相続人」には該当しません。
親族の構成によって、誰が優先的に財産を引き継げるのか、また、その配分割合が法律で決められています。
では、「相続人」以外に財産を引き継ぐことはできるのでしょうか?
→答えはYES。
ただし、必ず被相続人の意思表示が必要です。一般的なのは「遺言」でしょうか。
また、「遺贈」や「死因贈与」によって相続人以外にも財産を引き継ぐことができます。
ー相続の仕組みー
一定額以上の財産の引継ぎには税金がかかります。
その点不動産は、相続税額の計算の際に、実際の市場価格よりも低い金額で評価することができるため、相続税を低くすることができます。
本来、被相続人は自分の財産を自由に、任意の相手に引き継ぐことができます。が、被相続人の意思表示がない場合は一定範囲の親族には、財産を引き継げる優先順位と割合が決められており、それに従うことになります。
また、意思表示がある場合でも一定範囲の親族には、最低限引き継げる財産の割合が決められています。これを「遺留分」と言います。
税制やルールなどは毎年のように変更があります。
法律の隙間を縫った相続対策を考える方も多いですが、上記の理由からあまりおすすめできません。
「相続財産(引き継がれる財産)」とは?
亡くなった人が有していた財産・負債・権利義務・地位などがすべて引き継がれます。
◆プラスの財産
預貯金、不動産、有価証券、自動車、骨董品など
◆マイナスの財産
借金、滞納金など
◆権利
損害賠償請求権など
◆契約上の地位
賃貸人・賃借人・連帯保証人など
「相続されない財産(引き継がれない財産)」とは?
◆運転免許、各種資格、年金受給権、身元保証人の地位、養育費の請求権、支払い義務など
主に被相続人個人のみに属する権利・義務・地位
死亡時に被相続人が有してはいないが、相続財産として組み込まれるもの
◆被相続人の死亡3年前以前に贈与された財産(被相続人の死亡に伴い、財産の相続・遺贈などを受ける者への贈与)
◆相続時精算課税制度を使って贈与された財産
◆相続人に対して被相続人の生前に「婚姻・養子縁組・若しくは生計の資本」として贈与された財産(特別受益)
本来、被相続人の財産ではないが、相続財産として組み込まれるもの
◆被相続人の死亡によって発生する生命保険金
◆被相続人の死亡によって発生する死亡退職金
これらの財産を、誰にどれだけ引き継ぐのかを検討していくプロセスが【相続対策】です。

先原 秀和
オーナーズエージェント株式会社 部長