賃貸管理会社の選び方|空室を防ぐ募集力・対応力の見極め方
賃貸物件を所有している大家さんの中には、管理会社に募集を任せているにもかかわらず、なかなか空室が埋まらないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特に、管理会社に店舗がある、地元で長く営業している、担当者から「募集しています」と言われている。それでも空室が続く場合は、単に募集しているかどうかではなく、本当に入居者を決めるための動きができているかを見る必要があります。
賃貸管理会社を選ぶときに大切なのは、会社の規模や店舗数だけではありません。募集力、提案力、対応スピード、報告の質、トラブル対応力などを総合的に確認することが重要です。
この記事では、特定の空室対策やトラブル対応だけでなく、賃貸管理会社を選ぶ際に見るべき募集力・提案力・対応力を総合的に整理します。自主管理を続けるべきか、管理会社を変更すべきか迷っている方も、判断材料として参考にしてください。
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賃貸管理会社は店舗の有無だけで選ばない
賃貸管理会社を選ぶとき、店舗があるかどうかだけで判断するのは危険です。店舗があるからといって、必ずしも募集力が高いとは限りません。
大切なのは、その管理会社が実際にどのような募集活動を行い、どれだけ入居付けに向けて動いているかです。
店舗があっても空室が埋まるとは限らない
昔は、駅前に店舗があり、来店客に物件を紹介できることが管理会社の強みになっていました。
しかし現在は、入居希望者の多くがインターネットで物件を探します。ポータルサイト、写真、間取り図、条件設定、掲載情報の見せ方が悪ければ、店舗があっても反響は増えません。
つまり、店舗があること自体よりも、ネット上で物件をどう見せているか、反響をどう増やしているかが重要です。
店舗があるのに空室が続いている場合は、来店数ではなく、掲載状況や反響数、内見数、申込数を確認する必要があります。
地元に強い管理会社でも募集が弱いことがある
地域に詳しい管理会社は、相場感や入居者層を理解している点で強みがあります。
ただし、地域に詳しいことと、募集活動が強いことは別です。
地元で長く営業している管理会社でも、写真の見せ方が古い、ポータル掲載が弱い、条件改善の提案が少ない、反響分析をしていない場合は、空室が長引くことがあります。
大家さんとしては、地元だから安心と考えるのではなく、実際にどのような募集施策を行っているのかを確認することが大切です。
募集力は掲載状況と反響報告で見極める
空室対策に強い管理会社は、ただ「募集しています」と言うだけではありません。どこに掲載しているか、どれくらい反響があるか、内見につながっているかを具体的に説明できます。
管理会社を比較するときは、店舗数や知名度だけでなく、募集状況を数字で説明できるか、改善提案があるか、入居後の対応が早いかを確認することが大切です。
ポータルサイトへの掲載状況を確認する
空室が続いている場合、まず確認したいのはポータルサイトへの掲載状況です。
掲載されているかどうかだけでなく、写真の枚数、写真の質、間取り図、設備情報、周辺情報、キャッチコピー、検索条件に引っかかる内容になっているかを見ます。
同じエリアの競合物件と比べて、写真が暗い、情報量が少ない、設備の魅力が伝わっていない場合、反響が少なくなる可能性があります。
管理会社に確認するときは、「どのサイトに掲載されていますか」だけではなく、「掲載後の反響は何件ありますか」「内見は何件入りましたか」まで聞くことが大切です。
管理会社の募集活動を確認する具体的な方法は、以下の記事で詳しく整理しています。
反響数・内見数・申込数を報告できるかを見る
空室対策では、結果だけでなく途中経過の確認が重要です。
空室が埋まらない場合、どこで止まっているのかを見極める必要があります。
たとえば、反響がないなら掲載写真や家賃条件に問題がある可能性があります。反響はあるのに内見が少ないなら、問い合わせ対応や案内体制に問題があるかもしれません。内見はあるのに申込が入らないなら、室内状態や条件面、競合物件との比較に課題がある可能性があります。
良い管理会社は、こうした数字をもとに改善提案をしてくれます。
逆に、「募集しています」「様子を見ましょう」だけで具体的な報告がない場合は、管理体制を見直すサインです。
管理会社の選び方では提案力を見る
賃貸管理会社を選ぶうえで、募集力と同じくらい重要なのが提案力です。
空室が出たときに、ただ掲載するだけでなく、家賃、広告料、設備、写真、リフォーム、募集条件などをどう見直すか提案できる管理会社を選ぶ必要があります。
家賃を下げる以外の提案ができるか
空室対策というと、すぐに家賃を下げる提案をされることがあります。
もちろん、家賃が相場より高すぎる場合は調整が必要です。ただし、家賃を下げる前に確認すべきこともあります。
写真は魅力的か、設備情報は正しく掲載されているか、募集条件は競合と比べて不利ではないか、内見時の印象は悪くないか。こうした要素を確認せずに家賃だけ下げると、本来得られたはずの収益を失う可能性があります。
良い管理会社は、家賃を下げるだけでなく、入居者に選ばれるための複数の改善案を出してくれます。
競合物件と比較して改善点を出せるか
空室が続く理由は、自分の物件だけを見ていても分かりません。
入居希望者は、同じエリア、同じ価格帯、同じ間取りの物件を比較しています。つまり、競合物件と比べて何が弱いのかを見なければ、改善策は出せません。
管理会社を選ぶときは、周辺相場を把握しているか、競合物件と比較して提案してくれるかを確認しましょう。
家賃が高いのか、設備が弱いのか、写真が悪いのか、初期費用が重いのか。こうした原因を具体的に説明できる管理会社は、空室改善のパートナーとして信頼しやすいです。
管理会社の対応力は入居後のトラブルで差が出る
賃貸管理会社の仕事は、入居者を決めることだけではありません。入居後のトラブル対応、クレーム対応、修繕手配、退去対応なども重要です。
募集力があっても、入居後の管理対応が弱ければ、長期的な賃貸経営に悪影響が出ます。
連絡が遅い管理会社はトラブルを大きくしやすい
入居者からの問い合わせや設備トラブルに対して、管理会社の対応が遅いと、不満が大きくなります。
小さな不満が放置されると、クレーム、早期退去、悪い口コミにつながることもあります。
大家さん側から見ても、報告が遅い管理会社は不安です。今何が起きているのか、どのように対応しているのかが分からないと、判断が遅れてしまいます。
管理会社を選ぶときは、入居者対応のスピードだけでなく、大家さんへの報告の速さや分かりやすさも確認しましょう。
ゴミ屋敷などの難しい問題に対応できるか
賃貸管理では、通常の修繕やクレームだけでなく、ゴミ屋敷、長期滞納、近隣トラブル、無断残置物など、難しい問題が発生することがあります。
こうした場面で、管理会社が動けるかどうかは大きな差になります。
ただし、入居者の荷物を勝手に処分する、強制的に清掃するなどの対応はトラブルになる可能性があります。法的な注意点を理解し、適切な手順で進められる管理会社かどうかが重要です。
ゴミ屋敷化した賃貸物件への対応は、以下の記事で詳しく解説しています。
自主管理を続けるか管理会社に任せるかを判断する
管理費を抑えるために、自主管理を検討する大家さんもいます。
しかし、自主管理は費用を抑えられる一方で、入居者対応、募集、契約、修繕、トラブル対応まで自分で抱えることになります。管理会社を選ぶかどうかは、費用だけでなく、負担とリスクで判断することが大切です。
自主管理は費用削減だけで判断しない
自主管理を選ぶ理由として多いのが、管理委託料を節約したいというものです。
たしかに管理会社に委託しなければ、毎月の管理費は抑えられます。しかし、その分、大家さん自身の時間と労力が必要になります。
入居者からの連絡、設備故障の手配、家賃滞納への対応、退去時の精算、募集活動など、賃貸管理には細かい業務が多くあります。
自主管理を選ぶ場合は、費用だけでなく、自分がどこまで対応できるかを冷静に判断する必要があります。
自主管理の負担や後悔しやすいポイントは、以下の記事で詳しく整理しています。
管理会社に任せるべき業務を見極める
すべてを管理会社に任せるべきというわけではありません。
大家さん自身が把握すべき数字や判断もあります。一方で、入居者対応、夜間トラブル、専門業者の手配、法的リスクがある対応などは、管理会社に任せた方が安心な場合があります。
大切なのは、管理会社に丸投げすることではなく、任せる部分と自分で判断する部分を分けることです。
管理会社を選ぶときも、どこまで対応してくれるのか、報告体制はどうなっているのか、大家さん側がどのように関わるべきかを確認しましょう。
管理会社を変更すべきサイン
空室が長く続いている、報告が少ない、提案がない、対応が遅い。こうした状態が続く場合は、管理会社の変更を検討してもよいタイミングです。
ただし、感情的に変更するのではなく、何が問題なのかを整理したうえで判断することが大切です。
募集状況を説明できない場合は注意する
管理会社に空室状況を確認したとき、具体的な数字や改善案が出てこない場合は注意が必要です。
たとえば、掲載サイト、反響数、内見数、申込数、競合物件との比較、家賃条件の妥当性などを説明できない場合、募集活動が十分に管理されていない可能性があります。
空室が続いていること自体が問題なのではありません。問題は、空室が続いている理由を分析できていないことです。
管理会社が状況を説明できない場合、大家さん側も改善判断ができません。
改善提案がない状態が続くなら見直しを考える
空室やトラブルが起きたときに、管理会社から改善提案がない状態が続くなら、管理体制の見直しを考えるべきです。
良い管理会社は、現状報告だけでなく、次に何をするべきかを提案してくれます。
写真を撮り直す、募集条件を調整する、広告料を見直す、設備を追加する、リフォーム内容を変える。こうした具体的な提案があるかどうかが重要です。
大家さんが毎回こちらから聞かないと何も出てこない状態なら、別の管理会社に相談して比較する価値があります。
まとめ
賃貸管理会社を選ぶときは、店舗があるかどうか、地元で有名かどうかだけで判断してはいけません。
空室を防ぐために重要なのは、募集力、提案力、対応力、報告の分かりやすさです。特に、空室が続いている場合は、ポータルサイトへの掲載状況、反響数、内見数、申込数、競合物件との比較を確認する必要があります。
また、入居後のトラブル対応や自主管理との役割分担も、長期的な賃貸経営では大切な判断材料になります。
管理会社に任せているのに空室が埋まらない、報告が少ない、改善提案がないと感じている方は、一度現在の管理体制を見直してみましょう。
自分の物件に合った管理会社を選べているか不安な方や、空室改善・管理会社変更を検討している方は、専門家に相談するのも一つの方法です。第三者の視点を入れることで、今の管理会社の課題や改善すべきポイントを整理しやすくなります。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM®(米国不動産経営管理士)、第一級海上特殊無線技士、毛筆八段
海上保安庁、賃貸仲介営業を経て、賃貸管理会社である株式会社アートアベニューに入社。大家さんの安心経営を叶えるべく、賃貸住宅の企画・運営をお手伝いしています。
