管理会社の募集活動を確認する方法|空室対策の見直し方
空室が何ヶ月も続いているのに、管理会社からは「募集しています」「頑張っています」としか言われない。
そんな状況に不安を感じている大家さんは少なくありません。
特に、アパートの空室が半年近く続いている場合は、単なる時期や運の問題ではなく、募集活動のどこかに原因がある可能性があります。
賃貸経営では、管理会社を信頼することは大切です。しかし、「頑張っています」という言葉だけで判断してしまうと、空室による損失が長引いてしまうことがあります。
この記事では、空室対策全体ではなく、管理会社がどのように募集活動を行っているかを大家さん自身が確認する方法に絞って解説します。ポータルサイトへの掲載状況、写真や設備情報、囲い込みの有無、現地管理の状態など、具体的なチェック項目を確認していきましょう。
空室対策全体の基本は、以下の記事で整理しています。
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半年続く空室は募集活動を見直すサイン
空室が半年続いている場合は、何かしらの原因があると考えるべきです。
もちろん、エリアや時期、物件条件によって決まりにくいことはあります。しかし、何ヶ月も動きがない状態を「そのうち決まる」で済ませてしまうのは危険です。
空室が長引く背景には具体的な理由がある
空室が長引く場合、そこには必ず確認すべき理由があります。
たとえば、家賃が相場より高い、写真が少ない、ポータルサイトに掲載されていない、設備情報が抜けている、内見時の印象が悪い、他社に物件情報が流れていないなどです。
管理会社から「時期が悪い」「今は動きが少ない」と言われても、それだけで納得してはいけません。
本当に時期の問題なのか、募集条件や掲載内容に問題があるのかを、数字と現場で確認する必要があります。
「頑張っています」だけでは判断できない
管理会社の「頑張っています」という言葉は、大家さんにとって安心材料に聞こえるかもしれません。
しかし、賃貸経営で大切なのは、頑張っているかどうかではなく、結果につながる募集活動ができているかです。
たとえば、自社ホームページに掲載しているだけでも、管理会社は「募集しています」と言うかもしれません。けれど、大手ポータルサイトや業者間流通に情報が出ていなければ、入居希望者や仲介会社に届いていない可能性があります。
空室確認では、「掲載されているか」だけでなく、「入居希望者や他社仲介に届く状態になっているか」まで見ることが重要です。
大家さんは、感情や付き合いだけで判断せず、どこに掲載しているのか、反響は何件あるのか、内見は何件入っているのかを確認しましょう。
大手ポータルサイトに掲載されているか確認する
管理会社の募集活動を確認するうえで、最初に行うべきことは、大手ポータルサイトで自分の物件を検索することです。
今の入居希望者の多くは、インターネットで物件を探します。ポータルサイトにきちんと掲載されていなければ、そもそも候補に入らない可能性があります。
SUUMOやHOME’Sで自分の物件を探してみる
まずは、入居希望者になったつもりで、自分の物件を検索してみましょう。
最寄り駅、賃料、間取り、築年数、設備など、実際の入居希望者が使いそうな条件で検索します。
その結果、自分の物件が出てこない場合は、掲載されていない、検索条件に引っかかっていない、情報登録に不備があるなどの可能性があります。
ポータルサイトに載っていない物件は、多くの入居希望者にとって存在していないのと同じです。
管理会社に「どの媒体に掲載していますか」と聞くだけでなく、大家さん自身でも検索して確認することが大切です。
自社サイトだけの掲載になっていないか確認する
管理会社によっては、大手ポータルサイトではなく、自社サイトだけに掲載しているケースがあります。
もちろん、自社サイトへの掲載も無意味ではありません。しかし、一般の入居希望者が最初に見るのは、多くの場合SUUMOやHOME’Sなどの大手ポータルサイトです。
自社サイトだけに掲載されている状態では、入居希望者の目に触れる機会が限られます。
空室が長引いている場合は、自社サイトだけでなく、どのポータルサイトに掲載されているのか、掲載内容は正しいのかを確認しましょう。
業者間サイトへの登録状況も確認する
入居者を決めるには、一般ユーザー向けのポータルサイトだけでなく、他の仲介会社に物件を紹介してもらう仕組みも重要です。
そのためには、業者間流通サイトに物件情報が登録されているかを確認する必要があります。
一般の大家さんが直接確認しにくい場合もありますが、管理会社に「他社仲介にも紹介できる状態になっていますか」「業者間サイトに登録されていますか」と聞くことはできます。
他社の仲介会社が紹介できない状態になっていると、募集の窓口が狭くなり、空室が長引く原因になります。
掲載されている募集情報の質を確認する
ポータルサイトに掲載されているだけでは十分ではありません。
入居希望者は、複数の物件を比較しています。掲載写真が少ない、設備情報が不足している、物件の魅力が伝わらない場合は、候補から外されてしまいます。
写真の枚数と内容を確認する
募集情報で特に重要なのが写真です。
写真が少ない物件は、入居希望者に不安を与えます。室内全体、水回り、収納、玄関、バルコニー、共用部、外観など、生活をイメージできる写真が十分にあるか確認しましょう。
募集写真は20枚以上を一つの目安にすると、室内や設備の状態を伝えやすくなります。
特に、キッチン、浴室、トイレ、洗面などの水回り写真は重要です。リビングや居室だけでなく、入居希望者が気にする部分がきちんと掲載されているかを確認しましょう。
設備情報のチェック漏れを確認する
大家さんが費用をかけて導入した設備が、募集情報に正しく反映されていないことがあります。
温水洗浄便座、室内物干し、モニター付きインターホン、インターネット無料、追い焚き、宅配ボックスなどは、ポータルサイト上で検索条件として使われることがあります。
設備項目にチェックが入っていないと、実際には設備があっても、検索結果に表示されない可能性があります。
空室が長引いている場合は、設備そのものだけでなく、募集情報に正しく登録されているかを確認しましょう。
写真が古すぎないか確認する
募集写真が古いままだと、内見時に現地とのギャップが生まれることがあります。
新築時やリフォーム直後の写真を使い続けている場合、現在の状態と違って見えるかもしれません。
入居希望者は、ネットで見た印象をもとに内見へ進みます。現地で「写真と違う」と感じると、信頼感が下がり、申込につながりにくくなります。
写真は、できるだけ現在の状態に近いものを使うことが大切です。必要に応じて、退去後や清掃後に撮り直しましょう。
囲い込みがないか確認する
空室が長引く原因の一つに、物件情報が他社に十分に流れていないケースがあります。
管理会社が自社で入居者を決めたいあまり、他社に紹介させない状態になっていると、募集の機会が狭まります。
他社仲介に紹介できる状態か確認する
賃貸募集では、管理会社だけでなく、他の仲介会社からの紹介も重要です。
他社仲介が物件を紹介できる状態になっていれば、入居希望者に届く機会が増えます。
反対に、他社から問い合わせがあっても「紹介できません」「もう決まっています」と言われてしまう状態では、成約チャンスを失っている可能性があります。
管理会社には、他社仲介にも紹介可能な状態か、どのように情報を流しているかを確認しましょう。
別の不動産会社に問い合わせてみる方法もある
大家さん自身が確認する方法として、別の不動産会社に問い合わせてみる方法があります。
入居希望者の立場で、自分の物件を指定して「この物件は紹介できますか」と聞いてみるのです。
もし「紹介できない」「募集していない」「もう決まっている」と言われる場合は、情報の流通に問題がある可能性があります。
もちろん、状況によってはタイミングのズレもあります。ただ、空室が長引いている場合は、物件情報が正しく流れているかを確認する価値があります。
現地の管理状況を確認する
ネット上の募集情報が整っていても、現地の印象が悪ければ申込にはつながりません。
入居希望者は、内見時に室内だけでなく、建物全体の管理状況も見ています。
共用部の第一印象を見る
物件の第一印象は、外観や共用部で決まることがあります。
ポストまわりにチラシが散乱している、ゴミ置き場が汚れている、共用廊下に私物がある、照明が切れている、蜘蛛の巣や落書きがある。こうした状態は、入居希望者に不安を与えます。
どれだけ室内が良くても、共用部が荒れていると「管理が悪そう」「住んだ後にトラブルがありそう」と思われる可能性があります。
空室が長引いている場合は、現地に行って、内見者が最初に見る場所を確認しましょう。
管理会社が現地を見ているか確認する
管理会社に「最近いつ現地を確認しましたか」と聞いてみることも大切です。
具体的な日付や現地写真付きの報告が出てこない場合、現地確認が十分に行われていない可能性があります。
空室対策では、机上の募集条件だけでなく、現地の状態を見ながら改善することが重要です。
管理会社が現地を把握していなければ、内見者がどこで不安を感じているかも分かりません。
反響数・内見数・申込数を確認する
管理会社の募集活動を確認するときは、感覚ではなく数字で見ることが重要です。
空室が決まらない理由は、反響がないのか、内見につながっていないのか、内見後に申込が入らないのかによって変わります。
どこで止まっているかを数字で把握する
管理会社に確認すべき数字は、主に以下です。
・ポータルサイトの掲載状況
・反響数
・内見数
・申込数
・内見後の反応
・競合物件との比較
反響が少ないなら、掲載条件や写真、家賃設定に問題がある可能性があります。
反響はあるのに内見が少ないなら、問い合わせ対応や案内体制に問題があるかもしれません。
内見はあるのに申込が入らないなら、現地の印象、家賃、設備、共用部、競合物件との比較を見直す必要があります。
週単位で状況を確認する
空室対策は、一度募集を出して終わりではありません。
特に空室が長引いている場合は、週単位で反響状況を確認し、条件や掲載内容を調整する必要があります。
「募集しています」と言われるだけでなく、「この1週間で反響は何件ありましたか」「内見は何件ありましたか」「内見者からどんな反応がありましたか」と具体的に確認しましょう。
空室対策の全体的な見直し方は、以下の記事で整理しています。
管理会社変更やセカンドオピニオンも検討する
管理会社に確認しても具体的な数字が出てこない、改善提案がない、現地確認も不十分。
このような状態が続く場合は、管理会社変更やセカンドオピニオンを検討してもよいタイミングです。
他社の視点で募集状況を見てもらう
今の管理会社だけに相談していると、問題点が見えにくいことがあります。
別の管理会社に募集状況を見てもらうと、写真が弱い、家賃が高い、設備情報が不足している、他社に情報が流れていないなど、客観的な指摘が得られる場合があります。
いきなり管理会社を変更する必要はありません。
まずは、現在の募集状況について第三者の意見を聞くことから始めるのも有効です。
改善提案がない管理会社は見直し対象になる
空室が長引いているのに、管理会社から具体的な改善提案がない場合は注意が必要です。
良い管理会社は、現状報告だけでなく、次に何をするべきかを提案してくれます。
たとえば、写真の撮り直し、設備情報の修正、家賃や初期費用の調整、他社仲介への情報開放、現地清掃、広告料の見直しなどです。
「頑張っています」「様子を見ましょう」だけで具体策が出てこない場合は、管理体制そのものを見直す必要があります。
賃貸管理会社の選び方は、以下の記事で詳しく整理しています。
まとめ
空室が半年近く続いている場合は、管理会社の「募集しています」という言葉だけを信じるのではなく、具体的な募集活動を確認する必要があります。
まずは、SUUMOやHOME’Sなどの大手ポータルサイトで自分の物件が掲載されているかを確認しましょう。掲載されていても、写真の枚数や内容、設備情報、現在の状態とのズレがないかを見ることが大切です。
また、他社仲介に物件情報が流れているか、囲い込みのような状態になっていないかも確認したいポイントです。ネット上の情報だけでなく、現地の共用部や清掃状況、ポストまわり、ゴミ置き場なども内見時の印象に影響します。
空室対策では、反響数、内見数、申込数を数字で把握し、どこで止まっているかを見極めることが重要です。
管理会社から具体的な数字や改善提案が出てこない場合は、セカンドオピニオンや管理会社変更も検討してよいでしょう。
空室が続いていて、今の募集活動が本当に適切なのか不安な方は、専門家に相談するのも一つの方法です。第三者の視点を入れることで、募集状況の問題点を整理し、空室改善に向けた具体的な打ち手を見つけやすくなります。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM®(米国不動産経営管理士)、第一級海上特殊無線技士、毛筆八段
海上保安庁、賃貸仲介営業を経て、賃貸管理会社である株式会社アートアベニューに入社。大家さんの安心経営を叶えるべく、賃貸住宅の企画・運営をお手伝いしています。
