不動産投資の融資相談はいつ?銀行に行くタイミングと必要な準備
不動産投資を始めるうえで、多くの人が不安に感じるのが融資です。
「良い物件を見つけてから銀行に相談すればいいのか」「まだ買う物件が決まっていない段階で相談していいのか」「住宅ローンがあると不利になるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
不動産投資では、融資の動きが遅れると、せっかく良い物件を見つけても購入チャンスを逃してしまうことがあります。特に一棟アパートや土地から新築する投資では、物件判断と融資相談を並行して進めることが重要です。
この記事では、物件の選び方や購入判断全体ではなく、銀行へ融資相談するタイミングと準備に絞って解説します。融資相談の目的は、いきなり借入を確定することではなく、自分と物件に融資の可能性があるかを早めに確認することです。
アパート投資の購入判断全体の流れは、以下の記事で整理しています。
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不動産投資の融資相談は物件資料をもらったらすぐ始める
不動産投資の融資相談は、物件が完全に決まってから始めるのでは遅い場合があります。
良い物件ほど動きが早く、融資の目処が立たないまま迷っていると、他の投資家に先を越される可能性があります。検討物件の資料を受け取ったら、できるだけ早く銀行へ打診することが理想です。
物件資料を受け取った当日に銀行へ打診する
不動産投資では、物件資料を受け取ったら、できるだけ早く銀行に相談することが大切です。
銀行の融資審査には時間がかかります。担当者が資料を確認し、物件評価や本人の属性を見て、融資の可能性を判断する必要があるからです。
そのため、買付を入れてから慌てて銀行に相談するよりも、物件資料をもらった段階で早めに打診しておく方が、次の判断をしやすくなります。
この段階では、正式な融資承認ではなくても構いません。まずは「この物件と自分の属性で融資の可能性があるか」を確認することが目的です。
買付前に融資の感触を確認しておく
不動産会社に買付を出すとき、融資の目処がまったく立っていない状態では、売主や仲介会社から見た信頼度が下がることがあります。
反対に、事前に銀行へ資料を送り、融資の可能性について一定の感触を得ていれば、買付の精度が高まります。
特に人気のある物件では、他の投資家も同時に検討しています。融資の見通しがある人の方が、購入候補として優先されやすい場面もあります。
融資相談は、物件を買うかどうかを決めた後に行うものではなく、購入判断と並行して進めるものと考えましょう。
1行や2行で断られても諦めない
不動産投資の融資相談では、1つの銀行に断られただけで諦める必要はありません。
金融機関ごとに融資方針や評価基準は異なります。同じ人・同じ物件でも、ある銀行では難しいと言われ、別の銀行では前向きに検討されることがあります。
複数の金融機関に相談する前提で動く
不動産投資の融資では、1行や2行に断られること自体は珍しくありません。
同じ物件でも、金融機関によって評価が変わることがあります。ある銀行では難しいと言われても、別の銀行では前向きに検討されるケースもあります。
1行に断られたからといって、その物件や自分の属性が完全にダメというわけではありません。単に、その銀行の融資方針や対象顧客と合わなかっただけというケースもあります。
最初から複数の金融機関に相談する前提で動くことが大切です。
業者紹介の提携ローンだけに頼らない
不動産会社が紹介してくれる提携ローンは、手続きがスムーズな点では便利です。
ただし、提携ローンだけに頼ると、選択肢が限られる可能性があります。自分で金融機関を開拓することで、より良い金利、長い融資期間、自己資金条件などを探れる場合があります。
もちろん、すべてを自分で進めるのは簡単ではありません。書類準備や銀行ごとの対応も必要になります。
それでも、不動産投資では融資条件が収支に大きく影響するため、複数の選択肢を持っておくことが重要です。
自分の属性に合う銀行を選ぶ
融資相談では、どの銀行に相談するかも重要です。
都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど、金融機関によって得意な顧客層や融資方針は異なります。自分の年収、勤務先、資産背景、住宅ローンの有無、投資経験に合った金融機関を選ぶ必要があります。
都市銀行・地方銀行・信用金庫・ノンバンクの特徴を知る
金融機関には、それぞれ特徴があります。
都市銀行は、年収や資産背景、勤務先などを厳しく見る傾向があります。大企業勤務や高年収、資産背景がある人に向きやすい一方で、一般的な会社員にはハードルが高い場合があります。
地方銀行は、エリアや物件所在地、本人の属性によって判断が分かれます。地域との関係性を重視するケースもあります。
信用金庫は、地域密着型で、地元の事業者や居住者との関係を重視することがあります。物件所在地や本人の居住地との相性が重要になる場合があります。
ノンバンクや一部のアパートローンは、会社員の属性を重視して取り扱うことがあります。金利などの条件は銀行と異なるため、収支への影響も確認が必要です。
自分が戦うべき金融機関を見極める
不動産投資の融資では、自分の属性に合わない金融機関に相談しても、前に進みにくいことがあります。
たとえば、高額な資産背景を求める銀行に、1棟目を検討している一般的な会社員が相談しても、門前払いに近い対応を受けることがあります。
これは、その人が投資に向いていないという意味ではありません。相談する金融機関の土俵が合っていなかっただけです。
大切なのは、自分の年収、勤務先、資産、自己資金、住宅ローン、投資経験を客観的に見て、相談すべき金融機関を選ぶことです。
土地から新築では対応できる金融機関を早めに確認する
土地から新築アパートを進める場合は、完成物件を購入する場合よりも、金融機関の対応可否を早めに確認する必要があります。
土地を先に購入し、その後に建物を建てるため、土地代、建築費、諸経費、完成までの資金繰りを含めて融資を考える必要があるからです。
土地先行融資に対応できる銀行は限られる
土地から新築する場合、土地を先に取得するための融資が必要になることがあります。
しかし、すべての金融機関が土地先行の融資に対応しているわけではありません。完成物件の購入なら相談しやすい銀行でも、土地から新築のスキームには対応していない場合があります。
また、土地資金だけでなく、建物資金や完成までの資金繰りまで含めて相談できるかも重要です。
そのため、土地から新築を検討している場合は、土地を見つけてから慌てて銀行を探すのではなく、事前に対応可能な金融機関を確認しておくことが重要です。
土地から新築アパート投資の進め方は、以下の記事で詳しく整理しています。
融資条件で土地探しの範囲が変わる
新築アパート投資では、融資条件によって買える土地や建てられる建物の規模が変わります。
借入可能額が分からないまま土地を探していると、良さそうな土地が出ても、本当に買えるのか判断できません。また、自己資金をどれくらい求められるかによって、検討できる価格帯も変わります。
そのため、土地探しを始める前に、自分がどれくらい融資を受けられる可能性があるのかを知っておくことが大切です。
新築アパート投資全体の流れは、以下の記事で整理しています。
銀行に評価されるために準備しておく資料
融資相談では、物件そのものの評価だけでなく、本人の資産状況や返済能力も見られます。
銀行に相談するときは、物件資料だけでなく、自分の属性や資産背景を説明できる資料を準備しておくことが重要です。
現預金は銀行に安心感を与える
銀行が重視するポイントの一つが、現預金です。
現預金は、すぐに使える資金として評価されやすく、突発的な支出や空室リスクに対応できる余力として見られます。
銀行から見ると、流動性の高い資産があることは安心材料になります。預貯金やすぐに動かせる資金がどれくらいあるかは、融資相談前に整理しておきましょう。
もちろん、保険や有価証券などの資産をどう扱うべきかは個人の状況によって変わります。大切なのは、銀行が「すぐに動かせる資金」をどう評価するかを理解しておくことです。
資産と負債を一覧にして見える化する
銀行に相談するときは、自分の資産と負債を整理しておくと話が進めやすくなります。
預貯金、有価証券、不動産、保険、住宅ローン、その他借入などを一覧にし、純資産がどれくらいあるのかを示せるようにしておきましょう。
口頭で説明するよりも、エクセルなどでまとめた資産一覧を提示する方が、銀行担当者も判断しやすくなります。
融資相談では、物件の魅力だけでなく、「この人に貸して大丈夫か」も見られます。自分の家計や資産状況を整理できていることは、事業主としての信頼にもつながります。
物件資料と属性資料をセットで用意する
銀行へ打診するときは、物件資料と本人の属性資料をセットで用意します。
物件資料としては、販売図面、レントロール、収支資料、登記情報、建築計画、土地資料などがあります。本人の資料としては、源泉徴収票、確定申告書、本人確認資料、資産一覧、借入状況などが必要になります。
本命の物件が出てから慌てて準備すると、打診が遅れてしまいます。
良い物件が出たらすぐ銀行へ相談できるように、基本資料は常に最新の状態にしておきましょう。
住宅ローンがあっても融資の可能性はある
住宅ローンがあると、不動産投資の融資は難しいと思う方もいるかもしれません。
確かに、住宅ローンの残債を負債として厳しく見る金融機関もあります。一方で、住宅ローンがあっても、金融機関によっては前向きに評価される場合もあります。
住宅ローンを負債として厳しく見る銀行もある
一部の銀行では、住宅ローンの残債を個人の借入として厳しく見ます。
この場合、住宅ローンがあることで、投資用ローンの借入可能額が圧迫されることがあります。年収に対する返済負担や総借入額が重く見られれば、融資が難しくなる場合もあります。
そのため、住宅ローンがある場合は、自分の返済状況や残債を正確に整理しておく必要があります。
銀行によって判断が異なるため、1行で断られても、別の金融機関では違う見方をされる可能性があります。
持ち家を安定性として評価する金融機関もある
住宅ローンがあるから必ず不利になるわけではありません。金融機関によっては、持ち家があることを居住の安定や地域との関係性としてプラスに見るケースもあります。
一方で、住宅ローンの返済負担を厳しく見る金融機関もあるため、判断は銀行によって異なります。
大切なのは、住宅ローンを隠すことではなく、現在の返済状況や家計全体の余力を説明できるようにしておくことです。
自分の状況を理解してくれる金融機関を探すことが、融資相談では重要です。
融資審査にかかる期間を理解しておく
不動産投資の融資相談では、審査期間を理解しておくことも大切です。
仮審査や打診の結果が出るまでの時間、本審査にかかる期間を把握しておくことで、買付や売買契約のスケジュールを組みやすくなります。
仮審査は早ければ即日から1週間程度
物件資料と属性資料を提出して行う最初の打診は、早ければ当日、一般的には数日から1週間程度で感触が分かることがあります。
この段階では、正式承認ではなく、融資可能性の確認です。
ただし、金融機関によってスピードは異なります。物件が特殊な場合や本人の資産状況が複雑な場合は、もう少し時間がかかることもあります。
打診の結果が早く分かれば、買付を出すか、見送るかの判断もしやすくなります。
本審査は売買契約後に1ヶ月程度かかることがある
売買契約後は、正式な融資申し込みを行い、本審査に進みます。
本審査では、物件評価、本人の返済能力、資産状況、契約内容、担保評価などを詳しく確認されます。
本審査の承認までは、一般的に1ヶ月程度かかることがあります。
物件や金融機関によっては、さらに時間がかかる場合もあるため、融資利用特約の期限や決済スケジュールには余裕を持たせることが大切です。
初めての融資相談は資料準備から始める
初めて不動産投資の融資相談をする場合、何から始めればいいか分からない方も多いはずです。
まずは、自分の属性を整理し、相談先の金融機関をリストアップし、すぐに資料を出せる状態を作ることから始めましょう。
自分の属性を整理する
融資相談の前に、自分の年収、勤務先、勤続年数、家族構成、現預金、保有資産、住宅ローン、その他借入を整理します。
銀行は、物件だけでなく、本人の返済能力や資産背景も見ます。
自分の状況を整理しておけば、どの金融機関に相談すべきかも判断しやすくなります。
相談できる金融機関をリストアップする
次に、自分の属性や物件種別に合いそうな金融機関をリストアップします。
都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど、それぞれの特徴を踏まえ、複数の相談先を用意しましょう。
1つの銀行だけに期待するのではなく、複数の選択肢を並行して動かすことが大切です。
資料を最新の状態にしておく
最後に、融資相談に必要な資料をすぐ出せる状態にしておきます。
源泉徴収票、確定申告書、資産一覧、借入状況、本人確認資料などは、常に最新のものを用意しておきましょう。
物件資料を受け取ったら、すぐに銀行へ打診できるように準備しておくことで、良い物件を逃しにくくなります。
まとめ
不動産投資の融資相談は、物件を買うと決めてから始めるのではなく、物件資料を受け取った段階で早めに動くことが大切です。
良い物件ほど動きが早いため、融資の目処が立たないまま迷っていると、購入チャンスを逃す可能性があります。買付前に銀行へ打診し、融資の感触を確認しておくことで、購入判断のスピードと精度が高まります。
また、1行や2行で断られても諦める必要はありません。金融機関ごとに融資方針は異なるため、自分の属性や物件種別に合う銀行を複数探すことが重要です。
融資相談では、現預金、資産一覧、物件資料、源泉徴収票などの準備も大切です。自分の資産と負債を整理し、銀行担当者に分かりやすく伝えられる状態を作っておきましょう。
不動産投資の融資に不安がある方や、どの金融機関に相談すべきか分からない方は、専門家に相談するのも一つの方法です。自分の属性や検討している物件に合う融資戦略を整理することで、購入判断を進めやすくなります。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM®(米国不動産経営管理士)、第一級海上特殊無線技士、毛筆八段
海上保安庁、賃貸仲介営業を経て、賃貸管理会社である株式会社アートアベニューに入社。大家さんの安心経営を叶えるべく、賃貸住宅の企画・運営をお手伝いしています。
