遺言の作成と「 自筆証書遺言保管制度 」活用のススメ【不動産経営お役立ちコラム】
このコラムでは、大家さんの賃貸経営に日々携わるアートアベニューの社員が、大家さんの不動産経営や資産運用のお役立ち情報を手短に発信してまいります。是非、お付き合いください。
新制度活用で遺言のハードルを下げる
(※この記事は「不動産経営お役立ちコラム」2024年4月号のWEB再録版です)
先原です。このコラムは大家さんの不動産経営や資産管理に役立つ情報をお届けするということで、初回は皆さんの関心も高い「相続」について話したいと思います。
ちなみに私は52歳、配偶者、子供なし、母、妹の家族構成。すでに遺言を書いてあります。方法は自筆証書遺言で、2020年に新設の「遺言を法務局に預ける制度」を利用しています。
万一のことがあった際、私は妻の生活維持のためにも、自宅不動産を含め、財産の全てを妻に遺したいと考えています。
しかし、子供がいない私の場合、遺言がないと妹にも相続権が発生(母が亡くなっていた場合)し、わずかながらの私の財産の分割は、妻と妹との話し合いに委ねることになります。妹との仲は悪くなく信頼もできる存在ですが、相続の際に妻と妹がこのような話し合いをせねばならないこと自体、本意ではありません。
そこで遺言です。兄弟姉妹には遺留分(最低でも一定額以上の財産を相続できる権利)がないため、遺言で妻に全ての財産を相続するとしておけば、確実にその通りに実現できます。
遺言というと、公証人が遺言作成をしてくれる「公正証書遺言」がお薦めとよく言われますが、自筆証書遺言に比べると手間やそれなりの費用がかかってしまう方法です。
そのため、私の選択は「自筆証書遺言を法務局に預ける」でした。
自分の手で遺言を書き、法務局に持ち込むだけなので手軽です。費用も、遺言の用紙代や住民票取得費、法務局への手数料3,900円ほどと安価。 紛失や改ざんの不安もある自筆証書遺言ですが、法務局保管ならばその心配もありません。
この制度に対応した遺言書作成キットも多数あり、それらを利用すれば様式不備・内容不備による遺言の無効も防げます。公正証書遺言と比べて、効力に差はありません。 自らで新制度を経験してみて、かなり使い勝手のよい仕組みだと感じました。
遺言作成を財産把握の機会に
また、遺言を書くメリットに、改めて自らの財産を把握できるという点があります。 遺言を書くうえで財産目録を作ることになりますが、その作成行程で、自身の財産のありかと価値を確認していくことになります。
自身の財産の全容や価値がどれほどなのか、正しく掴めている方は意外と少ないのですが、それを把握することは、ご自身やご家族にとってとても大きな価値があります。 財産状況を把握する「ついで」に、遺言を作成するという考え方でもいいのかもしれません。
ご自身の財産の行く末やご家族への気持ちを、その思いの通りに実現するためには欠かせない遺言。その作成に早すぎることはありませんし、後で内容を修正することもできます。
まだ必要ない、難しそうと敬遠せず、ぜひ日記をつけるような気分で遺言を書いてみてはいかがでしょうか。 遺言や相続対策、財産価値の計算などのお手伝いもできますので、お悩みの方は是非お気軽にご連絡ください。
このコラムの執筆者:先原 秀和
2002年入社。東京都府中市出身。
神奈川県藤沢市育ちで、現在も同市在住。
不動産売買・マンション管理、賃貸管理など、20年以上の不動産実務経験をもとに、賃貸管理業務の支援、オーナーコンサルティング、相続コンサルティング、研修講師などを行なう。
「お客様の「ありがとう」が何よりの喜びです。」



