新築企画 – 間取りと配置を工夫して物件価値を高めた事例【不動産経営お役立ちコラム】
(※この記事は「不動産経営お役立ちコラム」2024年8月号のWEB再録版です)
このコラムでは、大家さんの賃貸経営に日々携わるアートアベニューの社員が、大家さんの不動産経営や資産運用のお役立ち情報を手短に発信してまいります。是非、お付き合いください。
物件力=立地×建物×運営ソフト
建て替えは「建物の企画」に関われるため、工夫次第で「物件力」を大きく高めることが可能です。この物件力とは「①立地、②建物、③運営」が構成要素です。
まず「①立地」ですが、この影響力は絶大で、仮に人気駅の目の前であれば、たとえ建物の企画が悪くても空室に困ることはないでしょう。しかし、誰もが駅前の土地を持っているわけではなく、立地を変えることも容易ではありません。
次に「②建物」です。これは間取り(広さ)、設備、デザイン等の力のことで、これらの魅力は当然に物件力向上に寄与します。
最後の「③運営」は、例えばシェアハウス、ペット共生住宅、小商い賃貸など、専門性・希少性・難易度の高い運営の工夫が該当します。
長期的に安定した賃貸経営をするには、この「物件力」の高さがとても大切です。一方で、9割方の入居者は、ポータルサイトで部屋を探す際に「立地、間取り、設備、家賃」といった条件を優先して部屋を絞り込むため、〝物件力はほぼ立地と建物で決まる〟と言っても過言ではありません。
地主さんの建て替えでは「建物の企画」に工夫を凝らし、物件力を高めることが基本であり最重要でしょう。
作りやすい間取りではなく、入居者に選ばれる間取りを
図Aは、建設会社から最初に届いた提案です。シンプルな1LDK、人気の対面キッチン、水廻りが集約され無駄なスペースがなく整っていますが、この間取りの問題点にお気づきでしょうか。
それは中部屋のLDKの暗さです。短冊状に5戸を並べたために、中部屋のLDKには寝室の窓からの光しか届かず、日中から薄暗くなってしまうのです。建設会社にとっては効率的で作りやすい間取りでも、それが入居者に選ばれる間取りとは限りません。家主にとって重要なことは後者です。
図Bは、弊社が企画に入り建設会社と協力して調整したものです。住戸を南北に振り分け、各戸の間口を広げました。LDKと寝室の両面から採光するため、明るく開放感を感じます。また、共用廊下と階段を建物内に移すことで「アパートっぽさ」を排除しつつ、鉄部の劣化や砂埃の侵入を軽減し、長期的な修繕費を抑えるねらいです。
プラン変更により建築費が上がることを懸念していましたが、今回は建設会社のご厚意で当初の金額のまま契約することができました。一方、査定賃料は、1棟で年間142.8万円(戸あたり月8,500円)上昇しました。
間取りと配置を工夫することで物件価値と物件力を大きく高められたことになります。
弊社では、建築プランの助言サービスを行っています。建て替えをご検討される際に是非ご相談ください。
このコラムの執筆者:片平 智也
2011年入社。プロパティマネジメント事業を統括する傍ら、全国の不動産会社や業界団体の研修講師も務める。
土地取得から新築したアパートを経営する「大家」でもあり、賃貸管理実務と大家経験から得た知識を、大家さんのお悩み解決に役立てている。
保有資格にCPM®、CCIM、不動産コンサルティングマスター、相続アドバイザーなど。



