その リノベーション 、ちょっと待った!失敗しないための必須項目【不動産経営お役立ちコラム】
(※この記事は「不動産経営お役立ちコラム」2025年1月号のWEB再録版です)
このコラムでは、大家さんの賃貸経営に日々携わるアートアベニューの社員が、大家さんの不動産経営や資産運用のお役立ち情報を手短に発信してまいります。是非、お付き合いください。
リノベーション工事(以下リノベ)は、古くなった建物を蘇らせる有効な一手ですが万能とは限りません。今回は、リノベで失敗しないためのポイントをご紹介します。
リノベは費用対効果で実施判断
リノベにかけた費用は家賃で元を取らないと意味がありません。ですが、市場には費用対効果の合っていないリノベ物件が散見されます。
リノベの費用対効果を正しく判断するには「①リノベ利回り(計算式参照)」と「②投資期間」の2点から考える必要があり、弊社では実施の目安を①リノベ利回り10%以上、②投資期間10年以上と考えています。利回り10%で10年間運用(20%なら5年間)しても、ようやく元が取れただけ。利益が出るのは11年目からなのですから、少なくともこの基準を目安にして利益確保の期間を想定しておかないと、お金をかける意味がないのです。
以前お手伝いした築古マンションの空室は、原状回復工事(50万円)をして貸し出すと賃料8万円の予測でした。一方、間取りと水まわりを変える大掛かりなリノベ(700万円)を行うと、なんと賃料が14万円に上昇する見込みに。
この場合の①リノベ利回りは、前述の計算式を用いると11%となります((14万円-8万円)×12ヵ月÷(700万円-50万円))。
また、オーナー様はこのマンションを長く保有し続ける予定で、②投資期間は20年以上。利回り11%ならリノベコストを約9年で回収でき、残り11年でプラスを蓄積できるため、リノベという選択肢が有効でした。
完成後1ヵ月以内に想定通りの賃料で入居が決まりました。
ガッカリさせない魅力的な部屋づくり
計算上は費用対効果が見込めるリノベでも、完成した部屋が魅力的でなければ狙い通りの効果を発揮できません。
ただ設備を新しくするだけでなく、壁紙や床材の色柄などもセンス良く演出したいものです。とはいえ、自身の感性に頼りすぎるのも考えもので、実際にあった話では、オーナー様が厳選した柄物アクセントクロスに、入居者が「白い壁紙にできませんか?」とリクエストしたことも…。
部材の選定はプロにお任せしたほうが良さそうです。
また、リノベの工事項目は多岐にわたるため、事前に入念な打ち合わせをしたはずが、完成してから工事の抜け漏れに気付くケースは多いものです。ブレーカーカバーや通気口の交換を見落としたり、和室を洋室に変更した際に襖の取手だけ和風のままだったり…、周りがキレイになると、隠れていたガッカリポイントが悪目立ちします。
内見客も興ざめしてしまうので、抜け漏れはゼロを目指しましょう。
このコラムの執筆者:片平 智也
2011年入社。プロパティマネジメント事業を統括する傍ら、全国の不動産会社や業界団体の研修講師も務める。
土地取得から新築したアパートを経営する「大家」でもあり、賃貸管理実務と大家経験から得た知識を、大家さんのお悩み解決に役立てている。
保有資格にCPM®、CCIM、不動産コンサルティングマスター、相続アドバイザーなど。



